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院長ブログ
「フッ素」についてのおはなし
こんにちは。多田歯科医院の多田 雄一郎です。
記念すべきブログの第一回目のタイトルは、「フッ素」についてです。
今回は、「フッ素」についての基本的な情報から疑問、歯科医院でのフッ素塗布や自宅でのケア方法までくまなくご紹介します。
ただ・・・もしかすると、「フッ素って危険って聞くけど、大丈夫?」と心配な方もいるかもしれません。
確かに「フッ素」単体では強い毒性があるものの自然界には存在せず、歯科医院のフッ素塗布や歯磨き粉などに入っているフッ素は、他の成分と結合した無機の化合物「フッ化物」の状態に変化しています。むし歯予防に使われるのはフッ化物の中でも安定し、安全性の高い成分です。
むし歯予防に使われるフッ化物にはいろいろな種類があるので、今回はわかりやすいようにまとめて「フッ素」として話を進めます。
まずは、フッ素の効果について見ていきましょう。
①歯の再石灰化
②歯質の強化
③むし歯菌の活動の抑制
むし歯の原因となるむし歯菌を弱体化させ、産生する酸の量を減らします。

では次の項目で、具体的なフッ素の応用についてご紹介します。
フッ素を歯の健康に活用するには、歯科医院での「フッ素塗布」とご家庭での「フッ素ケア」の2つの方法があります。
歯科医院でフッ素塗布をしていれば安心!というわけではなく、あくまでむし歯予防の基本は「歯みがきによる歯垢の除去=プラークコントロール」です。そのために大切なのが、お家で歯みがきのついでにできる、フッ素配合の歯磨き粉や洗口液を使ったケアなのです。
定期的な歯科医院でのフッ素塗布と毎日のお家でのフッ素ケアを上手に並行し、続けていきましょう!
歯科医院でのフッ素塗布ってどんなもの?
家庭用のフッ素と比べ、高濃度のフッ化物溶液(当院ではジェル状と泡状のものがございます)を、歯科医師・歯科衛生士が歯ブラシ法にて歯に直接塗布します。
歯ブラシ法・・・ジェル(ゲル)状のフッ素を歯ブラシにつけ、歯みがきするように歯に塗布すること
フッ素濃度は9000ppm程度で、乳歯の場合、むし歯の抑制率はフッ素の薬剤の種類にかかわらず、34〜55%とされています。
フッ素塗布後は、こんなことに気を付けましょう。次のフッ素塗布の予約をしておくのもおすすめです。
- 塗布後30分はうがいや飲食をしない
- フッ素塗布時に口にたまった唾液は飲み込まず、吐き出す(飲み込んでも問題はございません)
- フッ素塗布したからと安心せず、毎日の歯みがきもしっかり行う
ご家庭での「フッ素ケア」とは?
歯科医院でのフッ素塗布は高い効果が期待できますが、やはりむし歯予防の基本は歯みがきをメインとしたセルフケアです。
セルフケアに使用する歯磨き粉や洗口液に含まれるフッ素は、歯科医院のものと比較して濃度は低いものの、毎日使い続けられることが大きなメリット。
フッ素塗布と併用して、さらに強くてむし歯に負けない歯を目指しましょう!
フッ素配合の歯みがき粉(歯磨き粉)の効果的な使い方
毎日の歯みがきで使える「歯磨き粉」をフッ素配合のものにすれば、手軽なフッ素ケアが可能です。
ここではフッ素配合の歯磨き粉の使用のポイントについてご説明します。
- 年齢に沿った使用量の歯磨き粉を歯ブラシにつける(つけすぎない)
- 歯磨き粉を歯列全体に塗り広げる(まだ磨かない)
- 2~3分間ていねいに歯を磨く
- 口に残った泡や歯磨き粉を吐き出す
- うがいをしすぎない、大量の水でうがいをしない
フッ素塗布を効果的に活用してお子様のむし歯予防を!
むし歯予防には、歯科医院でのフッ素塗布と自宅でのフッ素ケア、どちらも上手に活用して、お子様の「生えたての歯」を守ってあげることが重要です。
フッ素塗布後もオーラルケアを徹底して、まずは1歳ごろの生えたての乳歯にむし歯ができないことを目指しましょう!15歳ごろまでむし歯ゼロが維持できたら、かなり虫歯への抵抗力がある大人の歯に育った証拠です。そのままむし歯ゼロキープを目指したいですね。
お子様のフッ素塗布のついでに、ご家族の方も歯科医院でフッ素塗布や定期検診を受けるのがおすすめ。保護者の方や家族にむし歯があると、お子様へのむし歯菌感染リスクも上がります。
一度むし歯になったら、歯は二度と元には戻りません。予防がとても大切です。家族みんなでフッ素を活用し、健康な歯を保ちましょう!